■世界的タンナーも認める二宮五郎商店のもの作り
革製品を愛する者にとって、「二宮五郎商店」の名前は特別な意味を持つ。選び抜かれた至高の素材、その魅力を引き出すシンプルで使い勝手のよいデザイン、それを形にする熟練の職人仕事。二宮五郎商店は、東京・向島で60年以上もの間、そんな“哲学”を貫き通し、妥協なきものづくりを続けてきた革製品のマニュファクチャーファクトリーだ。その姿勢が世界的なタンナー・ホーウィン社に認められ、同社の「シェルコードヴァン」を扱える世界でも数少ないブランドであることは、二宮のものづくりを物語るエピソードといえる。今回紹介するジップアラウンドタイプの長財布もまた、品質の高さが故に扱いに技術が必要とされるイタリアのタンナー・カルロバダラッシ社の稀少性の高いレザーを使用している。
【二宮五郎商店】ピノ ジップアラウンドウォレット
■伝統と革新、二宮の技が生み出す極上の“アート”
ひと目で心を奪われるのが、その革の表情だろう。松の葉のように見える加工から「ピノ(イタリア語で松の意)」と呼ばれるオリジナリティー溢れる表情の表地は、イタリア伝統のバケッタ製法によるフルベジタブルグレインドレザーに、独特の型押し加工を施した、いわば“伝統”と“革新”の産物。多くの革を見続けてきた二宮五郎商店の代表・二宮眞一氏(写真)でさえ、「技師の技量の高さ、素材の芸術性、デザイン性に脱帽した」と惚れ込む、極上の“アート”を感じさせる素材だ。しかも二宮五郎商店では、さらに職人がゆっくりと時間をかけて独自のワックスとオイルで磨き上げることで、透明感のある艶と、陰影を増し表情を際だたせる立体感を生み出している。
縦 20cm
横 9.8cm
マチ 2.3㎝
重さ 238g